就職活動をする際、避けて通れないエントリーシート。数ある質問の中でも、とりわけ頭を悩ませる問いの一つに「学生時代に頑張ったこと」があげられます。部活での輝かしい戦績や、留学やインターンの経験といった特筆すべき出来事があれば書くことに困らないでしょう。しかし日々の研究で忙しい理系学生の中には、「頑張ったことで思いつくのが研究や論文の執筆しかない」との本音を漏らす人も多いのではないでしょうか?

「頑張って取り組んだ研究を、もっと評価してくれる会社はないのだろうか?」
「あるとしたらどのような会社なのだろう?」

そんな疑問を解決すべく、学生時代の研究・制作の成果で選考する「卒制/卒論採用」を取り入れているチームラボに訪れました。

今回は、実際に卒制卒論採用で応募し採用された2018年4月に入社予定の竹内愛理さんと、チームラボのテクノロジー部門でエンジニアとして働く中野皓太さんのお二人に、大学時代の研究内容とチームラボでのお仕事について伺いました。

竹内愛理(たけうち あいり)さん
チームラボ18新卒内定者
慶應義塾大学大学院 基礎理工学専攻修了予定

中野 皓太(なかの こうた)さん
立命館大学大学院 情報理工学研究科修了
2015年にチームラボに入社
専門分野:音響信号処理,音楽情報処理

自己PRも履歴書も不要!?チームラボの卒制/卒論採用で入社を決めたわけ

編集部

今日はよろしくお願いします!まずは、竹内さんと中野さんの学生時代の研究について教えてください。

竹内さん

私はいま、慶應義塾大学の基礎理工学専攻で純粋数学の研究をしています。数学の研究を本格的にし始めたのは大学院からで、学部の頃は理工学部の電子工学科で信号処理という機械学習の一分野の研究をしていました。現在の研究室では、関数解析なども勉強しながら作用素環の研究をしています。

編集部

機械学習の研究というと、応用開発という形のアウトプットに注目が行きがちですが純粋数学に興味をもったのはなぜですか?

竹内さん

信号処理の勉強をしているうちに、機械学習やAIといった今人気がある分野も、そのベースには純粋数学の理論が潜んでいると気がついたんです。線形代数はもちろん、関数解析といった純粋数学の結果がさまざまな工学の理論に応用されています。そこで私は純粋数学を用いて工学にアプローチしたいなと考えるようになりました。

中野さん

僕は 立命館大学で音響信号処理や音楽情報処理の研究をしていました。もともと音楽が好きで、自分で作曲の勉強をしているうちに電気的に音を作ったり解析したりしたいと思うようになったのが音の研究室を選んだきっかけです。研究は楽しく、気づいたら博士後期課程まで進んでいました。

編集部

お二人ともかなり研究を楽しまれてこられたのですね!就職を意識し始めたのはいつ頃でしょうか?

中野さん

初めは民間企業ではなく大学などのアカデミアに進むつもりでいました。もちろん学振への申請も行ったのですが残念ながら採用されず、民間企業への転進を検討するようになりました。本格的に就活を初めたのは博士課程2年の頃でしたが、過去にインターンにいくつか行った経験もあったのでのんびり就活をしていました。

*学振:日本学術振興会の略称で、学生同士の会話では通常その特別研究員(DC1, DC2, PD)のことを指して使われる。毎年多くの博士進学予定者(または博士課程在学者)がこの学振特別研究員に応募し、その座を狙う。参考(https://lab-on.jp/article/79

竹内さん

私も博士課程に進もうかなと思っていたので、修士1年生の頃は就活に真剣には取り組んでませんでした。数学科だとアクチュアリーやコンサルタントが人気なのですが、数学や工学でお金を動かすことに全然興味が持てなくて。周りが大企業の説明会に行ってるのを見てもあまり乗り気になれず、研究している方が好きだなと思ってましたね。

編集部

チームラボには何がきっかけで応募したのですか?

中野さん

僕は民間企業に就職するとしても専門的な能力は活かしたいと思っていました。実は学生の頃はチームラボの名前すら知らなかったのですが、音を用いた空間演出などの事業に従事したいと思い業界を調べていた時たまたま募集を見つけエントリーしました。

竹内さん

チームラボの名前は元々知ってて、チームラボの展示も何度か見に行ったことはありました。新卒採用してるという認識がなかったのですが、猪子さんがのっている雑誌を読んで「そういえばこんな会社もあったなぁ」と何の気なしに検索してみたんです。するとHPで卒制/卒論採用のことが書いてあり、深夜2時のノリで論文を提出してみたところ面接に呼ばれてトントン拍子に内定が出たという感じです。軽いノリからのスタートでしたが、ビジネス色が強い職よりもアーティスティックな仕事のほうがモチベーションが上がるので自分の性格とチームラボは合っているんじゃないかと思います。

☆チームラボの卒制/卒論採用とは?☆

卒制/卒論採用とは、書類選考や自己PR、履歴書ではなく、卒制・卒論だけを提示して選考される採用試験だ。

あなたの「作品・研究」で、選考を受けてみませんか?

卒業制作や、卒業論文に夢中になって、就職活動を思うようにできなかった・・・チームラボではそんなあなたの為に、卒制/卒論で選考する新卒採用を行っています。

自己PRや、履歴書ではなく、あなたが作った「もの」で評価されたい、
チームラボはそんなあなたにお会いしたいと思っています。

募集期間は3/31まで。あなたの卒制・卒論(ポートフォリオでも可)で選考を受けてみませんか? 

チームラボ卒制卒論採用特設サイトより

編集部

エントリーシートを書かなくてもいい、というのはありがたいですね!面接ではどのようなことを聞かれたのですか?

竹内さん

中野さんと、もう一人博士課程まで進まれた方に面接してもらったのですが、ほとんど研究の話をしました(笑)。数学や工学理論の研究の話をアカデミア以外であれだけ熱心に聞いてもらえたのは初めての経験で感動しました。

中野さん

弊社でで何をしたいかなどのヒアリングは立場上行いますが、本心から熱く盛り上がった話題は研究などのマニアックな話でした。僕の知的好奇心が疼いてしまったという側面もあるのですが、研究を熱く語れるかどうかは一種のバロメータだと思います。研究の意義や価値を理解し、真剣に研究と向き合い、深い見識を修められた方ほど熱く語られるように思えます。何より熱量がいいですね。僕はスキップ選考で内定をいただいたのですが、こちらの選考でも楽しめたと思っています。あ、スキップ選考っていうのは、候補者に技術的な課題を与え、その解き方をチームラボのメンバーと議論するだけで選考の可否を決める選考方法です。ESやグループディスカッションなど、いわゆる就活対策などを行う必要がないので、卒制/卒論採用同様、学校での授業や研究・制作などに集中したい方におすすめです。

芸術も研究も開発も!各技術のスペシャリスト達が集うチームラボの仕事とは?

編集部

チームラボでのお仕事について聞かせてください。中野さんは3年目とのことですが、普段はどういった業務をされているのでしょうか?

中野さん

僕はリサーチ班に所属し基礎技術の研究開発が主な仕事なのですが、その他に適任者が見当たらない雑多な案件を担当したりもします。

プロダクト開発では薬剤監査機のシステム開発を行なっています。薬局って薬剤師さんが自分で棚から薬を出して調剤すると思うんですが、この方式は調剤過誤を招いてしまう危険性を包含しています。このプロダクトは画像認識技術を用いて薬剤の種類を判別することで、調剤過誤を未然に防ぐことができます。このプロジェクトではハードウェアの設計からソフトウェアの開発、サーバの保守など手広く行っています。

薬剤監査機 製品名は「ダブルチェック」

編集部

これまでで一番心に残っているプロジェクトは何でしょうか?

中野さん

シンガポール国立博物館から依頼を受け制作した「Story of the Forest」という大規模な

作品です。展示内容と来場者をインタラクションさせる作品なので、来場者がどこにいるかセンシングする要件がありました。この要件を満たすため、館内のスピーカを用い音で来場者をセンシングするシステムを提案し開発しました。普段は音響とあまり関係のない仕事を行っているのですが、このプロジェクトでは自身の音響に関する知識を活かして課題解決できたので、とても印象に残っています。

編集部

竹内さんはチームラボでやりたいと思っていることはありますか?

竹内さん

マシンラーニングチームなので、研究開発に近いことをやりたいと思います。夏にチームラボのインターンでやった画像認識を続けてやるのも面白いでしょうし、他にも機械学習を使ったアプリケーションを作ってみたいですね。

編集部

理系学生に向けて何かアドバイスがあればお願いします。

中野さん

研究するかと就活するかで迷ったら研究したほうがいいと思います(笑)。なんだかんだ言っても就職はいつでも出来ますが、研究はその時その人しかできないことなので是非やるべきです。就職することはゴールではなく手段なので、格式張った就職活動に必要以上の時間を取られるぐらいなら自己研鑽に努めた方が将来への投資になると思います。あとは研究室に篭らず、いろんな所に顔を出して経験値を積むべきだと思います。特に共同研究やインターンなんかはスキルアップと就職への近道になるのでお得だと思います。あ、弊社ではインターンの募集も行なっていますよ(笑)。

竹内さん

その人が一番やりたいことをやればいいと思うんですが、就活だからこうしなきゃとか余計なことを考えずに、自分がやってきたこととやりたいことを軸にして選んだらいいと思います。

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