この記事をご覧の皆さん、理系学生の就職状況を知っていますか。理系の大学生・大学院生は自分の専門分野を生かした就職をするのが大半、というイメージがあるのではないでしょうか。

学部生の卒業後は?

平成27年度の文部科学省学校基本調査によると、理学部・工学部といった理系学生の進学率は、文系学生と比較して高いことがわかります(図1)。平成21年の文部科学省の学校基本調査によると、修士課程在籍者における理系学生の割合は6割を超えています。理系学生にとっては「進学」という選択肢も就職と同じくらい重要になることがわかります(図2)。


図1
*出典:文部科学省学校基本調査
*分野のその他は、商船、芸術を含む。
*進路のその他は、専修学校・外国の学校等入学者、不詳・死亡の者を含む。

図2
*出典:文部科学省学校基本調査
*分野のその他は、商船、家政、芸術を含む。

学部卒業後に大学院に進学するか(修士課程修了後はさらに博士課程に進学するか)就職するか、就職するのであれば専門分野を生かした研究職か文系就職をするのかなど、理系学生の進路は多岐にわたります。選択肢の多さもさることながら、研究に割く時間が長くなりがちな理系学生は研究と就活とのバランスも難しいところです。

理系学生の就活

キャリタス就活2018によると、理系大学生と理系大学院生に人気の就職先企業ランキングは以下の通りでした。

大学生ランキング・理系(1位〜10位)

1位 東日本旅客鉄道
2位 トヨタ自動車
3位 NTTデータ
4位 資生堂
5位 全日本空輸(ANA)
6位 サントリーグループ
7位 山崎製パン
8位 NTTドコモ
9位 日立製作所
10位 デンソー

大学院生ランキング・理系(1位〜10位)

1位 日立製作所
2位 トヨタ自動車
3位 三菱電機
4位 キリン
5位 味の素
6位 サントリーグループ
7位 パナソニック
8位 花王
9位 資生堂
10位 三菱重工業

結果は調査元により異なりますが、上位にはメーカー系の企業が名を連ねています。

文部科学省の産業別の就職者統計では、理系学生の半数以上が専門的・技術的職業を選んでいることがわかります。(単位:人)

理系学生の就職は専門知識を生かしたものが多いことはイメージ通りのようです。ただし、上の表からもわかるようにそれ以外の分野を選んでいる人も少なくありません。

理系学生の文系就職は不利!?

研究開発職や技術職の募集は理系学生や修士課程修了者に絞られる場合がありますが、理系学生は研究開発・技術職も、それ以外の門も叩くことができます。選択肢は多いことはメリットです。

さらに、今日様々な企業が大学院卒生やポストドクターの採用をしたり、理系学生向けのイベントを開いたりしています。さらに、一部の企業は博士採用を推し進めています。

日本経団連「企業の求める人物像についてのアンケート」によると、企業が理系大学生・大学院生に求めることと、理系大学・大学院が教育面で注力していることは共に「専門分野に関連する他領域の基礎知識も身に付けさせること」だそうです。実際に理系の基礎知識は研究開発だけでなく事務職、営業職などにも応用できる可能性を持っています。

専門性の高い学問をする理系学生は分野外の就職に迷うこともあると思いますが、理系学生の就活への門戸が広がってきているのです。

専門分野にとらわれない理系就職や、文系就職に視野を広げてみてもよいのではないでしょうか。