研究と就活の狭間で卒業後の進路を悩む理系学生は多いでしょう。そのなかで、近年就活を控える大学生の間でメジャーになっているのがインターンシップです。今回はそのインターンシップのいろはを紹介していきたいと思います。

インターンシップとは

インターンシップとは、「大学等における学修と社会での経験を結びつけることで、学生の大学等における学修の深化や新たな学習意欲の喚起につながるとともに、学生が自己の職業適性や将来設計について考える機会となり、主体的な職業選択や高い職業意識の育成が図られる有益な取組」と定義されています。(出典:http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2016/03/15/1368428_02.pdf)

はじめに、インターンシップをする意義について考てみましょう。

まず学生側のメリットとしては、自分の職業の適性を見ることができたり、将来の就業意識に変革を起こすことができるという点です。また、理系学生ならば特に、実際の勤務先で見た景色や得た経験が研究にフィードバックできる可能性を湛えています。

インターンシップのメリットは学生側のみにあるものではなく、もちろん企業側にもあります。企業側のメリットは第一に、早くから就活生の選考を行うことができる点です。新入社員として採用される全員がインターン出身というわけではありませんが、インターン生から多くの採用を出す企業もあります。経団連はインターンシップは採用選考活動とは一切関係ないことを明確にして行うようにという指針を示しているため、つまり非公式の選考期間というわけです。特に外資系企業やベンチャー企業によくある採用体系です。

そして、学生・企業双方のメリットとして、就職後のミスマッチを少しでも減らすことができることが挙げられます。

インターンシップの形態は大きく分けると短期と長期の二種類があります。短期は学生の長期休みを利用したもの(サマー/ウィンターインターンシップ)や、もっと短くて数週間、数日単位のものもあります。さらに、短期のインターンシップはセミナー・見学型とプロジェクト・ワークショップ型に分けることができます。

セミナー・見学型は企業説明会に近いもので、短時間で企業の概要を掴むことができます。プロジェクト・ワークショップ型は学生何名かがグループを作りプロジェクトに取り組むタイプのもので、社員から直接フィードバックを得られたり、プレゼンテーションをしたりする機会があることがメリットです。就活生がインターンシップをするというと、一般的なのはこちらの短期インターンシップです。

*出典:HRプロ「2016年卒学生の就職意識調査」結果報告【1】急増するインターンシップ参加学生

一方で長期インターンシップとは、就活生だけでなく、学部の低学年でも参加することができます。こちらのメリットは何といっても実際に企業に入って仕事ができることにあります。社員と一緒に仕事をし、社員と同じような仕事を任せてもらえるチャンスがあります。

選び取るポイントは、まず自分の興味のある職種と相談することだと思います。学部低学年でたくさんの職種の中から自分の適性を見出すには長期インターンがおススメです。一方で、自分の興味のある業界の中から一つの企業を選びだすのなら、短期インターンを利用して企業説明会の要領で参加してみるのがよいでしょう。

大学生のインターン参加状況

理系学生は大学生活の大半を研究室において過ごしているのではないでしょうか。そのなかでインターンをしている学生はどの程度いるのでしょう。

実は、インターンに参加する大学生は文系理系問わず下図のように増加傾向にあります。つまり、インターンシップへの参加意欲が向上しているのです。現在の就活スケジュールでは、大学3年の前期からインターンシップ申し込み・参加するのが一般的であり、インターンシップが就活の一環として広く受け入れられてきていると言ってよいでしょう。

*出典:HRプロ「2016年卒学生の就職意識調査」結果報告【1】急増するインターンシップ参加学生

*出典:HRプロ「2016年卒学生の就職意識調査」結果報告【1】急増するインターンシップ参加学生

理系学生がするならどの時期?

理系学生のスタートダッシュ。2015年卒の大学生までは就活は大学3年生の12月から始まり、大学4年の4月から面接などの選考が解禁していました。ところが、2016年卒以降は大学3年の3月から就活解禁と、従来までの3か月後ろ倒しに変更となりました。この変更に伴い、文系理系問わず就活生は戸惑いを覚えています。

理系学生の学部最後の一年間は卒業研究に追われる日々であり、この変更は就活と研究のバランスをとりにくくする要因として加算されました。また、院試の日程も加味すると、進学と就職の間で揺れる理系学生の頭をさらに悩ませるスケジュールなのです。

理系学生のインターンが結びつく先は?

特に理系学生はこれまでに述べた通り、就活スケジュールと自分の抱える研究との兼ね合いが難しい問題として立ちはだかっています。ですが、多くの就活生がインターンを自分の適性を見出す手段として利用するように、理系学生にとっても自分の将来設計を明確にする手助けになるのです。それは進学を望む学生にも同じことが言えると思います。インターンで選択する職種によっては自分の研究にフィードバックできる発想を得ることが可能です。

経団連は2018年からの就活ルールとして、インターンの日数規定を廃止しました。従来5日以上の活動でなければインターンと認められていないかったものが、その制約が取り払われたのです。

これからますますインターンに参加する学生が増加するきっかけとなる出来事であり、もしかすると就職前にインターンを経験したことのない時代が来るかもしれません。

インターンシップを学生生活の中の一つの選択として取り入れてみてはいかがでしょうか?