理学部生物学科に飛び入学を導入!千葉大の取り組みとその理由とは?

国立大学法人千葉大学は、今月3日、17歳から大学で学ぶ「飛び入学」のプログラム実施分野を拡大し、2019年春から生物学の分野においても飛び入学生の受け入れを開始すると発表した。

千葉大学では1998年に現在の学制で日本初の飛び入学生を受け入れて以来、日本で唯一飛び入学を推進する先進科学センターを設置している。今回受け入れを開始する理学部生物学の分野も日本初だ。

千葉大学における飛び入学の歩み 千葉大学先進科学センター公式HPより

飛び入学ができる!?先進科学プログラムとは?

先進科学プログラムは、高校2年修了後、通常より1年早く大学に入学できる制度だ。入学後は、所属する各学部・学科の授業科目と並行し、少人数セミナー形式の授業や海外研修等プログラム生専用カリキュラムに基づいた専門教育を受けることができる。

現在千葉大学が募集しているのは「物理学」「化学」「工学」「植物生命科学」「人間科学」関連の5分野で、理学部・工学部・園芸学部・文学部の4学部13クラスで実施している。

入学時期は4月と9月があり、1998年~2017年3月までの志願者は362名で、うち合格者は88名だ。卒業生は千葉大学をはじめ東京大学、京都大学などの大学院に進学しているほか、MITやラトガース大学など海外の有名大学院で学び、教員や研究者、または実業家として独り立ちするケースも増えているという。

卒業時の進路状況 千葉大学先進科学センター公式HPより

理学部生物学科で飛び入学を導入した理由

日本ではあまり聞く事のない飛び入学制度。千葉大学が飛び入学に取り組む理由とは?千葉大学先進科学センター長の高橋さんに話を聞いた。

ーー今回理学部生物学科で飛び入学の導入に至ったのはどういった理由からでしょうか?

もともと、理系の学科全体で飛び入学生を受け入れていこうという全学的な流れはあったのですが、生物学科の教員間での合意が得られたというのが一番の契機です。そのきっかけとしては、千葉大学では今年から大学院でも先進科学プログラムを導入して博士後期までの一貫教育を目指しており、その接続性が生物学の教員の皆さんの背中を押した面はあると思います。

ーー「若い才能」の発掘と科学者育成を促進する制度との説明がありますが、早期教育のメリットを教えてください

「鉄は熱いうちに打て」という格言があるように、理科系の教育においては、興味のある分野の専門教育を早期に実施することにより1年でも早く先に進むことはそれだけで大きなメリットだと思います。日本では*オーバードクターの問題が解決していませんが、早期教育により博士取得年齢が若くなれば企業でも採用しやすくなるのではないでしょうか。

※オーバードクター:博士の学位を取得しながら定職に就いていない者、または、博士課程3年の期限を超えて学位を取れない学生のこと

ーー飛び入学のデメリットとして一般教養を身につける時間が減ることが挙げられると思いますが、どのようにお考えでしょうか?

千葉大学の先進科学プログラムでは一般教養のための独自のセミナーも実施しており、広い教養を身につけた専門家を育成できるように配慮しています。

日本では馴染みの薄い飛び入学。千葉大学では飛び入学に加え、学部の早期卒業や大学院を飛び級する制度もあり、学士課程を3年で卒業した後、修士課程1年、博士課程2年で進級すれば、最短23歳での博士号取得も可能だというから驚きだ。若者の理系離れが叫ばれて久しい。千葉大の取り組みは理系教育の風穴を開けることになるのか、今後も注目していきたい。

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