『異能こそ才能』―ユーザベースが目指す、エンジニアのための「自由」と「成長環境」とは

”SPEEDA”、”NewsPicks”といった名を目にしたことがある人は多いのではないでしょうか。これらの圧倒的な存在感を持つ経済情報プラットフォームを運営しているのは、株式会社ユーザベース。昨年からはSPEEDAとNewsPicksに加え、ベンチャーの企業情報に特化したデータベースやB2B向けマーケティングツールなどの新たな事業を始めるなど、経済情報フィールドにおいて勢力を拡大しつつあります。

国内にとどまらず、世界中の膨大な経済データを取り扱うユーザベースにとって、エンジニアは欠かせない存在です。データを扱う機械学習エンジニアを始め、多種多様なバックグラウンド、職種のエンジニアがこの会社に集っています。

テクノロジーと人の力。両方を用いて、ユーザベースはいかに経済情報プラットフォームとして独自のポジションを築いたのでしょうか。代表取締役の稲垣裕介氏と現役エンジニアの松本宜之氏、中村遼太郎氏にお話を伺いました。

稲垣裕介さん

埼玉大学工学部電子電気システム工学科卒。2008年にユーザベースを創業。

松本宜之さん

立命館大学MOT大学院テクノロジー・マネジメント研究科卒。専門分野はテクノロジー・マネジメント。

中村遼太郎さん

東京工業大学大学院情報理工学研究科卒。 専門分野はコンピューターサイエンス。

――ユーザベースの現在の事業について教えてください。

稲垣氏(以下、稲垣)SPEEDAは弊社が初めて取り組んだ事業で、世界200ヵ国 500万社以上の企業情報、150万件のM&A情報、約560業種の業界レポートなどの経済情報をワンストップで提供しています。各企業のIR情報はもちろん、株価やニュースなど、すべての経済情報を紐付けてあるので、横断的にデータを探せます。NewsPicksは、経済ニュースを業界人や専門家のコメントとあわせて読むことができるサービスで、2018年2月末時点で約300万人以上の方がユーザー登録をしてくれています。経済に関するニュースだけでなく、社会問題や時事問題なども取り扱ったNewsPicks編集部執筆のオリジナルコンテンツも配信しています。

他は、1万社以上にわたる国内ベンチャー企業の情報に特化し、一般向けには公開されていない情報も提供するentrepedia、データ分析に基いてアプローチすべきアカウントを予測し、マーケティングと営業のリソースをそのターゲットアカウントに集中するB2B向けのマーケティングプラットフォームのFORCASというサービスを展開しています。

私たちは「経済情報で、世界を変える」をミッションとして掲げてこれらの事業を展開しています。経済情報とエンジニアリングという2つは直感的に繋がりにくいかもしれませんが、ここまで事業を拡大できた背景には、間違いなくエンジニアリングの力があったからこそです。SPEEDAは立ち上げから9年目、NewsPicksは4年目の事業で、海外展開も行っています。entrepediaとFORCASは立ち上げ1年目の事業なので、これから国内でシェアを取るために戦っていくところです。

 

――ありがとうございます。エンジニアのお二人のお仕事内容をお聞かせください。

松本氏(以下、松本):現在僕はNewsPicksのUI(ユーザー・インターフェース)チームでエンジニアをしています。普段の業務は、サイトの修正要望があった箇所を改善したり、キャンペーンのページを作ったりなどですね。多方面から様々な提案があるので、優先順位をつけて改良に取り組むよう意識しています。

中村氏(以下、中村):私はSPEEDA開発チームでサーバーサイドのエンジニアをしています。SPEEDAは立ち上げから9年目ですので、例えば画面の表示やシステムのアーキテクチャなど、内部が少しずつレガシイ化しつつあります。リリース時よりも規模が格段に大きくなったので、今のデータ量に見合ったシステムに作り変えていっている最中です。今後もより多くのデータを集めていくことになるので、その時々でユーザーにとって最も快適なシステムを作れるよう意識しています。

 

稲垣:NewsPicksでだけユーザベースの名前を知っている方も多いかと思うので、SPEEDAの仕組みの一部を紹介しますね。

SPEEDAのデータは、

① データサプライヤーとの契約

② クローリングによって全自動で情報を集める仕組み

③ チームの手作業による情報取得

これら3つで成立しています。

契約に関しては、世界中のデータを保有しているデータサプライヤーと契約を結び、集めたデータに成形と加工を施して提供しています。それぞれの手法で集めた多面的な情報を紐付け、マッピングしているのがひとつの強みです。ニュースや株価などの情報も含んでいます。

SPEEDAでは全世界の膨大なデータを扱いますが、データを集めて使える形にするまでには様々な障害があります。たとえば会社名の表記にカタカナとローマ字の揺れがあったり、集めたデータにノイズが混じっていたりなどですね。そこでアナリストの知見を用いて、個々の企業のデータを分類、処理する作業を行い、それをを教師データとして蓄積させます。教師データが数万件溜まったところで機械学習にかけて、集めたデータを分類します。そのあたりの開発を担当しているのが中村のチームのメンバーです。

 

――お話いただいたSPEEDAについて、どのように事業をここまで大きく成長させたのでしょうか?

稲垣:事業構想を最初に固め、何をしたいのか徹底的に考えた上で、それを実現させるために必要なデータを取りにいきました。SPEEDAは最初、日本の上場企業のデータを業界構造の形に沿って構造化し、日本のプロフェッショナルファームの方々をメインのユーザー層として作られたものでした。その後、日本の未上場企業のデータを拡充し、次のステップとして全世界の企業データを北米へ購入しに行きました。これらのデータの供給を受けられるようになったことで、日本と海外の企業を比較できるデータベースを作りあげることができ、グローバル展開がスタートできました。

自分たちが次のステップでどこのマーケットをターゲットにして、どのようなデータが必要になるのかを明確にし、その対象となるデータを最も良い形でユーザーに提供するにはどうしたらいいかを、ビジネスチームと開発チームが一体となってデータの調査からデータ加工、画面の設計までを議論しながら進めています。その結果が今のデータの見せ方や紐付けの仕方に繋がり、SPEEDAというデータベースが完成しました。「エンジニアの力なくしてここまで成長できなかった」と言いましたが、事業の立ち上げから現在に至るまで、開発チームとビジネスチームが互いを補い合いながら進んできました。

――エンジニアのお二人は転職を経てユーザベースにジョインしたと伺いました。前職と比較して、ユーザベースで働く「面白さ」を教えてください。

松本:「こうすれば必ずユーザーが獲得できる」という正解がないため、何をすればユーザーに喜んでいただけるかを考えながら業務を行えることです。 僕の前職はシステムインテグレーターで、そこではビジネス要件や実現したいことをお客様からヒアリングし、その内容を基にシステム構築することでお客様に価値を提供することができました。ヒアリングから、効率よく、正確に自分の業務内容を把握して実装をすればお客様は喜んでくださったんです。

一方、今の環境では、「これさえ作れば必ずユーザーに喜んでいただける」という保証がないところが前職と大きく異なります。答えのない中でチームメンバーとユーザビリティなどに関して議論しながら業務を行えることに、とても満足しています。

 

中村:私は、大学生の頃にユーザベースでインターンをした後、システムインテグレーターとしてソフトウェア工学分野の研究開発に携わっていました。そちらの会社には1年半ほど在籍し、その後ユーザベースに戻って今年で2年目です。

転職の理由としては、ユーザベースでの仕事が面白かったことと、尊敬できる人と一緒に働けた経験が大きかったですね。その方は0から1を作ることに長けている方で、一緒に仕事をしていると刺激をもらえたし、純粋に楽しかったんです。

――働く場として、ユーザベースならではのカルチャーを教えてください。

中村:社内ではオープンコミュニケーションが基本です。自分の考えたことは何でも話せるし、意見は尊重されます。エンジニアは特に個性的な人も多いのですが、全員が日常的に発言しやすい環境だからこそ活発な議論が生まれますし、その結果生まれてくるアイデアも良質になっていくのだと思います。

エンジニア特有のオープンコミュニケーションの例としては、「ペアプログラミング」があります。これは、2人で1つのモニターを使い、交代でプログラミングをする開発スタイルです。ペア同士で相手が書いているコードの問題点を遠慮なく指摘できるため、黙々と一人でコードを書くより遥かにコミュニケーションが生まれやすく、より効率的な開発を進められると感じます。

 

松本:風通しがとても良く、オープンコミュニケーションだというところです。例えば、エンジニアとCTOが隣同士で座っているような環境であるがゆえに、普段の何気ない雑談からでも会社が今どんな方向に向かっているのかがわかります。ビジネスサイドの人とも普段から交流できるので、ただコーディングをするだけのエンジニアではなく、頭を使って価値のあるものを作ることに自分も参加しているんだという実感が得られますね。

ビジネスサイド側との交流という点では、この前たまたま営業に同行した機会に、営業のスタイルや、プロダクトをどうアピールするかを直に見られて、非常に勉強になりました。「こういう機能があれば便利なのに」というニーズを肌で感じられたし、サービスを伸ばすためには、ビジネスサイドとエンジニアサイドが互いの仕事を理解することが重要だと感じられる良い機会になりました。

稲垣:ビジネスサイドとテクノロジーの人間が真横で仕事をしている、という環境は確かに特徴的なカルチャーですね。ユーザーの業務の知見やアナリストの観点があるビジネスメンバーと、技術的なあるべき観点を持っているエンジニアが真横で議論しながらものづくりをしていくことによって、相乗効果を生みます。その結果、どちらか一方が創造したものよりも、両方の知見が合わさることでユーザーにとってより良いものができあがります。

 

――「ユーザベースには自由さがある」と伺っていますが、どのような部分で自由さを感じますか?また、それが自身のエンジニアとしての成長につながっていると感じますか?

中村:達成するべき要件を満たしていれば、好きな技術を使って仕事ができる点が魅力だなと思います。エンジニアは個々人で使う技術に好みがあるのと、あるひとつのタスクに対してもっとも良い技術は何かという観点は個々人で異なるので。そのあたりの違いがあったとしてもメンバーが許容してくれる環境はとても居心地がいいですね。

また先ほど話した通り、オープンコミュニケーションであるからこそ、自由に発言や提案ができるし、エンジニアからもビジネスサイドに提案がしやすいのはとても良い環境だと思います。ユーザベースではエンジニア側と営業側が双方向で積極的にコミュニケーションをとるので、提案が理に適ったものであれば応援してくれる人が多いなと感じます。

松本:僕は、ユーザベースでの働き方や、時間の使い方に自由さを感じます。例えばリモートで働くことができたり、勉強会に参加したり、仕事のために必要な時間を自分でコントロールできるのがとてもありがたいです。日々の業務に追われて外から情報を取ってこられないと、ITに関する知識はすぐに使えなくなってしまいます。アンテナを張って常に新しい情報を取りにいける環境はとても刺激的ですし、それが可能だからこそ、エンジニアとして成長できる環境が整っていると感じます。

稲垣:先ほど中村が言ったとおり、経営会議やミーティングをしていても、「代表だから意見が通る」ということは一切ないんです。もちろん思いつきの意見が通ることもないし、我を通すだけの意見もNOを食らいます。それはお客様のためにはならないので。本当に世界を変えられる可能性のあるアイデアを、もっとも強度がある形で提案した人の意見が通るんです。自分の意見を本当に通したければ必死で考えるはずでしょうし、そういう人は熱量もすごいんですよね。そうやってお互いが刺激を受けやすい環境があることは、自分自身を含め個々人の成長にも繋がっていると思います。

 

――ユーザベースにはどのようなエンジニアが集まっているか、そして、今後欲しいエンジニア像についてお聞かせください。

稲垣:バックグラウンドに偏りはないですね。SIerもいれば文系卒もいるし、学士卒も修士卒もいます。創業期からいるメンバーの中には学生を7,8年やっていた、なんていう人もいます(笑)アウトローな経歴を持つ人が多いかもしれないですね。でも実は経歴はほとんど気にしていなくて、意志と責任を持って自分から仕事を作れるか、そこを重視しています。携わるサービスによって必要な技術スタックは異なりますが、ゼロからユーザーの理想を想像して自分でサービスをつくりあげていくことを楽しめる人間であるかどうかを重視しています。

松本:いろいろな物事を知っている人や、貪欲に物事を学びに行こうとする人が多いですね。先ほどお話したとおり、積極的に新しい知識を学べる環境が整っているので、それを上手に利用して色々な物事を吸収している人、知的好奇心の強い人が多いように感じます。学び続けることを楽しめる方には、ユーザベースはぴったりだと思います。

中村:今後も色々なサービスを展開していくため、一部よりも全体をバランス良く見られるエンジニアが来てくれたらありがたいですね。フルスタックエンジニアになりたい人には特におすすめの環境です。しかしエンジニア全員が均質に同じことをできる必要はなくて、「自分のここを活かしたい」という思いがあるなら、どんなことをなぜやりたいのか、積極的にアピールしてほしいと思います。やりたいことがあって、且つ責任を持ってそれをやり遂げる意思があれば、本当にそれが実現できる会社です。

 

――最後に、稲垣さんが代表としてメンバーと日々接する上で意識していることを教えてください。

稲垣:私たちは「7つのルール」という価値観を掲げていて、中でもそのひとつである「異能は才能」を大切にしています。ユーザベースには「これができないといけない」とか「こうしなくてはならない」などのルールはなく、個々人の個性や才能がどうしたら最大化されるかをいつも考えます。その人がどういう人間で、何がやりたいからユーザベースにいるのか、この環境下でどれだけその人の才能を引き出せるか、それが私が経営者として最も大切にしていることです。本人の得意なことと意志を見極めて上手くバランスをとれるよう日々心がけています。

何度も出ている言葉ですが、「自由」と「責任」はユーザベースにおいて重要なバリューです。「やってみたい」を実行できる自由さの裏側には、必ず責任があります。提案と同時にその責任も自分で意志を持って完遂すること、そして、仕事をこなしていくことで「自由」と「責任の完遂」の両方を拡大していくこと。それこそが真の「挑戦」であると考えます。多様な人々が集まるこの環境で、ルールやできなくてはならないことはありません。個々人が自身の才能を一番発揮できる状態を、体当たりで探っていってほしいと思います。

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<株式会社ユーザベースについて>

会社情報
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募集情報一覧
https://labbase.jp/company/recruit/list/58

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