【えっ】ロボットが働く「変なホテル」?その正体に迫ると驚くべき事実が判明した・・!

 『The future of employment(雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか)』。2013年にオックスフォード大で人工知能(AI)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授により発表された論文だ。技術革新により、私たちの仕事がロボットに取って代わられる可能性を示唆し、世界に衝撃をもたらした。この論の正確性や歓迎するのか悲観すべきなのかについての議論はさておき、私たちの仕事を代替するロボットが既に活躍しはじめている。

「変なホテル」って何が変なの?

 先進技術を導入し、140台のロボットが働くホテルが今年3月千葉舞浜にオープンした。その名も「変なホテル」。変なホテルの「変」には「変化・進化し続ける」という意味が込められており、「ホテル業の既成概念に囚われない全く新しいホテル」を目指す。
外観(提供:株式会社エイチ・アイ・エス)

外観はごく普通のホテル・・・!
しかし、中に入ると愛らしい(!?)恐竜ロボットがフロントで出迎えてくれた。

(提供:株式会社エイチ・アイ・エス)
 言わずもがな、ホテル業はサービス業の1つである。ゆえにおもてなしとまでいかずとも、最低限のコミュニケーションは必要になるだろう。フロントにいる恐竜ロボット達は多言語対応でチェックイン・チェックアウトの手続きを行ってくれる。

一番人気はコミュニケーションロボット『Tapia』

コミュニケーションロボット「Tapia」(提供:株式会社エイチ・アイ・エス)

「変なホテル」には全部で9種類140台のロボットがいるというが、中でも一番の人気は各客室に設置されているコミュニケーションロボット「Tapia」だ。AIを搭載しており、学習能力があるため様々なことに答えられる。もちろんお喋りだけじゃない。人の手の形を識別しじゃんけんをすることもできるといい、小さな子供から大人まで、気軽にロボットに接することができる。

ロボットの投入で人員はどれくらい削減できる?

ところで、宿泊業・飲食サービス業は離職率が高いことでも知られる。厚生労働省の離職状況に関する資料によると、平成25年3月新規大学卒業社の3年目離職率は50%を超え、他業界と比べてもかなり高い。そのため人手不足に悩むホテル経営者も多い。

厚生労働省の離職状況に関する資料より筆者作成

人の代わりにロボットが働く変なホテル。ロボット投入によりどの程度人員が削減できたのだろうか。株式会社エイチ・アイ・エス広報担当者の方に話を聞いた。

「当ホテルと通常のホテルを同様に比較することは非常に難しいのですが、通常100室程度の部屋数ですと30~35人前後の従業員がいるのが一般的です。当ホテルは従業員が在籍で7名、日々の出社は3~4名で回しているので、単純に一般的なシティホテルの1/5の人件費で運営が出来ております。」

従業員が7名、さらに通常の1/5の人件費!?どうやらかなりの人員・コストカットに繋がっているようだ。人手不足に悩む必要もない。しかしロボットの導入費や維持費などがかさむのでは・・?

「ロボットを導入することで、イニシャルコストはもちろんかかっております。しかし人間であれば、月々の給与や賞与、残業代等が発生致しますが、ロボットの場合は、日々の電気代のみで24時間365日使い続けることができます。一度導入をしてしまえば、日々のランニング費は相当抑えることが可能です。」

一見すると熱帯魚に見えるが魚型ロボットだ(提供:株式会社エイチ・アイ・エス)

初号棟はギネス世界記録®にも登録

 「変なホテル」は2015年7月に長崎県ハウステンボスに初号棟を開業した。「初めてロボットがスタッフとして働いたホテル」としてギネス世界記録®にも登録されたという。今後は東京や大阪、海外では上海や台湾にも進出を目指す。

 ホテルのフロントはロボットがいて当たり前、そんな日がくるのもそう遠くないのかもしれない。
 

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