全ての業界で求められるデータサイエンティストの最先端と魅力に迫る ARISE analytics様インタビュー

米国の経営誌ハーバード・ビジネス・レビューが「今世紀で最もセクシーな職業」と呼ぶデータサイエンティスト。データを用いてあらゆる業界で活躍し、今後もそのニーズは高まり続けると言われている。情報系を専攻する学生はもちろん、理系学生の多くがその業務内容、やり甲斐や求められるスキルに興味を持っているのではないだろうか。今回は日本最高峰のデータサイエンティスト工藤 卓哉さんがCSO(Chief Science Officer)を務めるARISE analytics社にインタビューを行った。

 

〈プロフィール〉

工藤 卓哉さん
(株)ARISE analytics   Chief Science Officer

中山 雄貴さん
同社 Science Division   Data Scientist
社内での主な取り組み: コマース事業を中心に、KDDI及びKDDIグループ会社が提供するサービスの分析・システム開発業務

大山 匠さん
同社 Science Division   Data Scientist
社内での主な取り組み:製造業向けのデータ分析業務、製造業向け分析ソリューションの企画・開発業務、KDDIグループ外への分析ソリューション企画・開発業務

分析だけが価値ではない データサイエンティストによる業界をまたいだ創造とは?

ーーまずARISE analytics様の取り組みをお教えください。

工藤氏(以下、工藤):ARISE analyticsは、KDDIとアクセンチュアの合弁会社として作られた会社です。「通信」を核として事業を展開するKDDIは今、通信会社から「お客さまに体験価値を提供する」ライフデザイン会社への大転換を図っています。通信を強みに持つからこそ、生活をもっと便利に、豊かにできる。弊社の役割は、データを扱うことでこの目標達成に貢献することです。

KDDIは元々携帯会社として始まりましたが、今や金融や物流など様々な業界に手を伸ばしており、パートナー企業様も多数あります。KDDIが持つ業界や企業を跨いだ膨大なデータとそれを分析する力を持ったアクセンチュアが力を合わせることで、既存のサービスの付加価値を高めたり、新たな事業を立ち上げています。

データを価値創造の中核に置くため、多くのデータサイエンティストが所属していることも特徴です。今後あらゆるビジネスシーンで重要な役割を持つデータサイエンティストの育成にも力を入れています。

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ーーデータサイエンティストが担う役割や発揮する価値とはどのようなものなのでしょうか。具体的な業務も合わせてお聞かせください。

中山氏(以下、中山):私はKDDIが持つECサイトのレコメンドエンジンの開発と、ECストアのサービス分析を行っています。ECサイトの協力企業様と一緒に、お客様にどのような価値を提供できるかを分析してプロダクトに落とし込みます。

お客様がどんな言葉で検索して商品を探すのか、商品購買にまで辿り着くまでにどのようなプロセスを辿るのか、ある商品とセットで購入される商品はどのようなものか、様々なデータを元に最適解を模索するのがわたしの仕事です。

個人情報に抵触しない形でお客様の端末情報から得られるデータも、あらゆる種類を積み重ねて組み合わせることで、これまでに無いほどお客様の関心やニーズに合わせたレコメンドが可能になります。

大山氏(以下、大山):私は、これまでKDDIが通信インフラを提供していた製造業の企業様向けに、データを活用してより効率的な生産活動を行うためのソリューションを提供しています。特に、製造業の命とも言える工場にはまだ活用されていないデータが多くあるので、データ分析の余地がたくさんあります。

たとえば、機器の稼働のデータを分析することで、故障を事前に予兆したり、部品の点検のタイミングを把握したりできるようになった事例があります。他にも、機器の稼働率や工場全体のエネルギー効率の低さを検知して全体を最適化するような分析なども行っています。

もちろん、分析以前に良質なデータを取得する環境を整えることも重要です。そのために、現場では重視していなくとも、データサイエンティストの目線からは必要なデータを取得するために、新たなセンサーの導入を提案させて頂くこともあります。

また、価値のある提案をするためには、データの背景や分析の目的を理解することも必要です。。たとえば、現場で稼働している機器の性質について勉強したり、現場の人に業務についてヒアリングをしたりすることを通して、新たに見えてくる改善点もたくさんあります。

 

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ーー既存事業に更なる付加価値を与えるデータサイエンティストの魅力が見えてきました。今あるものをより良くするだけではなく、今後むしろデータを中心とした新規事業も生まれてくるのではないでしょうか。いま、どのような取り組みがなされていますか。

工藤:これまでバラバラに活動していた様々な企業の取り組みが、データを連携させることで一気通貫に理解出来るようになりました。たとえば、先ほどプレスリリースが出たので話せるのですが、KDDIグループはいま、「タクシーに乗りやすい社会を作る」という新たな取り組みを始めています。

タクシーに乗りたいと思ったとき、選択肢は2つあります。1つは走っているタクシーを捕まえること。もう1つはアプリや電話でタクシーを呼ぶことです。このどちらもしなくてよくなる世界を作るために、TOYOTA、Japan Taxi、KDDIグループ、アクセンチュアの4社が力を合わせました。

裏側の仕組みはこうです。まず、TOYOTAは公共交通機関の運行状況、大規模施設でのイベント情報などタクシー需要に影響するデータを確保して需要の予測情報をJapanTaxiに提供します。

JapanTaxiはタクシー会社を通じたタクシー運行実績、空車タクシーの位置情報、お客様を見つけやすい走行ルートの収集および提供を行います。

そして、KDDIグループとして、ARISEanalyticsもKDDIと共に、移動や滞在などの人の動きを加味した人口動態予測技術の開発および予測情報を提供し、アクセンチュアが他3社と共同でタクシー需要予測エンジンのAI分析アルゴリズムを開発したのです。

こうした協力によって、タクシーに乗りたい人たちがいまどこにいるのかを予測し、その需要に対して適切な数のタクシーがその近くに常に走っている状態を作り出すことができるようになりました。

今回の例は業界を跨いでデータを活用することで新たな価値を生み出した成功例と言えるでしょう。ひとつひとつの複雑なデータの特性を理解し、組み合わせによってこれまでにない価値を作る。データサイエンティストの仕事は非常に創造的な取り組みなのです。

 

自由な発想で世界と向き合う 武器としてのデータ分析能力

ーー既存事業の強化、デジタル時代の新規事業どちらにもニーズが高まるデータサイエンティストをどのように育成しているのでしょうか。社内の制度や文化があれば教えて下さい。

中山:制度面では、次年度入社の社員は洗練されたプログラムを受けられるようになりました。データサイエンティストとして必要なスキルを基礎レベルから実践レベルまで体系的に整理し、プログラムを構築しています。

なお、プログラムといえど、off-JT研修だけではなく、トレーナーの指導の下、研修で得たスキルを現場で実践するOJTのスキームも合わせてプログラムとしてパッケージ化しています。

文化で言えば、ARISE analyticsには人の意見を否定しないというカルチャーがあります。好奇心があって何にでも楽しんで取り組む人が多いので、新しいことにチャレンジしたい人を応援するのが当たり前になっています。

大山:それぞれの社員が持っているスキルやバックグラウンドが多様で、困ったときには必ず誰かに相談できるところが魅力的だなと感じます。ビジネスのこともデータ分析のことも、「それはあの人に訊けばわかる」と、頼れる先輩がたくさんいます。

また、自発的な社内勉強会も豊富です。データ分析周りの新しい知識を身に着けたい人やビジネスを勉強したいという人が集まり、初歩の初歩からハイレベルな内容まで所属を越えて学び合う環境が自然とできています。

工藤:せっかく素晴らしい人材がいても、人同士の関係性が希薄だと十分に活用出来ないものです。一緒に働いているだけでは見えない顔を共有するために、弊社ではライトニングトークを導入しています。全員が集まって1人5分から10分程度で「最近あった面白い話」「気になっているトピック」など思い思いのテーマを共有する場です。なんでも話して良い場所や雰囲気があるからこその社内文化だと思いますね。

ーーこれまでもデータサイエンティストに近い役回りをしていた人はいたように思います。なぜいま、改めてデータサイエンティストを必要としているのでしょうか。

工藤:いまデータに注目が集まっている理由は、これまでとは比べ物にならない量のデータを取り扱えるようになり、データを用いて分析・提案できることの幅が大きく広がったからです。ストレージがタダ同然に安くなったことで膨大なデータを取り扱えるようになり、そのデータを処理する側のリソースも飛躍的に向上しています。これによってデータから見いだせることが加速度的に増えていく中、データを用いた経営が今後主流になっていくのは間違いありません。

コンサルタントとして働く上で、データという武器は非常に有効です。クライアント企業の役員クラスに提案をするとき、その業界の知識では逆立ちしても勝てません。しかし「データはこう言っています」と説明すると、耳を傾けていただけるわけです。長い歴史を持つ既存の知見と、「今現場で何が起きているのか」を客観的に知ることのできるデータが融合したとき、どちらか片方のみでは成し得ない創造的な解が生まれます。その橋渡しをするために、データサイエンティストは欠かせない存在なのです。

ーーどのような人材が今後データサイエンティストとして活躍していくのでしょうか。

工藤:何が失敗だったのかをちゃんと振り返って検算できる人は、データサイエンティストに向いていると思います。何を知るためにどのような情報を集めて、どのような前提に基づいて分析したのかを振り返られることが重要です。

こうしたプロセスを辿ることで、分析結果が間違っていたときに、問題点を突き止めてより正確な答えに漸進していくことができます。100%正確な答えを出すことは誰にもできませんが、分析の精度を高めていくことはデータサイエンティストとして必須の姿勢です。

また、自分の専門ではない業界に、データという武器で立ち向かうことの多いデータサイエンティストに重要なのは学習意欲の高さです。データは頼もしい武器ですが、それだけを見ていても良い提案はできません。応用先の様々な業界やビジネスを深く理解してこそ、意味のある提案ができるからです。

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ーー最後に理系読者の方に是非メッセージを頂けたらと思います。

中山:自分は好奇心が強くて色んなことに興味を持つ人間です。逆に言うとテーマが定まらない人間でもあります。が、KDDIはライフデザイン企業を目指していて本当にあらゆるサービスを開発しています。その中でどんどん集まってくるデータを使って自分の知らなかった新しい知見を社会に役立たせることが出来るって、めちゃくちゃやり甲斐があって楽しいことです。好奇心があって、何でもデータを通して見てみたいという方は是非ARISE analyticsで一緒に働きましょう。

大山:最前線で学習したいという人には弊社は凄く良い環境だと思います。学習意欲のある人が欲しいという話がありましたが、僕自身も文系出身で、ゼロから学んでデータサイエンティストになりました。学ぶ意欲さえあれば、ここでいくらでも成長できる。これからデータサイエンティストの力がビジネスシーンで求められる中、今後のキャリアを考えても理想的な職場です。

工藤:端的に言って夢がでかく持てる会社だと思います。ほとんどどんなデータでもあるので、領域に縛られない自由な発想で、世界に展開するサービスを立ち上げることもできるかもしれない。でかい夢を持ってデータを使って活躍したいという人は、是非一緒にデータサイエンティストとして最先端の舞台に立ちましょう。

ARISEanalytics 採用情報はこちら
https://ariseanalytics.com/careers/

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